3−3 ローマGP -まさにお呼びでない- (2002年3月)


[序文]

昔から言われていることだが、日本人団体観光客はマナーがよろしくないようだ。

国内でも団体で旗を持ってゾロゾロ、観光地をわがもの顔に騒いで荒らし、バスの中は何か食ってるかカラオケ、SAでは露店と手洗いに行列を作り、夜中は浴衣でドンチャン騒ぎ・・・というなんとも情けないイメージが沸いてくる。 それが始末におえないことにバブルの少し前あたりから海外旅行でもそれを始めてしまった。

以前、NEWSWEEK誌に載っていた、「日本人観光客の食べ散らかした弁当の空き箱」が捨てられたハワイの海岸の写真を見た時は同じ日本人として実に情けなく思えたのを覚えている。どうも日本人には「旅の恥はかき捨て」という意識があるのかもしれないが、後から旅行する者の身にもなって欲しいものである。
当然、これには筆者個人の自戒もこめられている。


[経緯]

2002年のジュネーブショー閉幕からしばらくたったある日のことである。
雪辱戦願います!国沢光宏 - 02/3/12(火) 2:29 -

ローマ空港でのカートレース、2連敗して悔しいです!
次回、機会ありましたら再戦願います!

過去ログ保管所@国沢親方[以下★]より引用)
という、なんだか良く分からない内容の文章が国沢氏の同業である津々見友彦氏のWEBページ 「CarWorld」の掲示板に書きこまれた。それが何のことかは後日、同津々見氏の掲示板で明らかになる。
>>もしかして、先入観でレーシングカートって思いこみましたが
>>空港内の手荷物用のカート?ですか

>あれ?!
>さすが良い勘ですね!
>やはりブレーキと体重移動による加速でした。
>国沢さんは身体が大きいの、トルク型の動力性能です。
>一度のストロークでぐっと加速します。
>こちらは身体が小さいので、トルクは低く、回転馬力で稼ぎました。

>スタートと低速トルクの高い国沢さんが速いのですが、こちらは後半回転をあげてパワーを
>稼ぎました。
>写真はリードする国沢選手。
>私は必死で回転を上げ、この後目前のゴールラインを僅差で逃げ切りました。

>写真は菰田氏の撮影。ローマのフィウミチーノ空港でのGP風景。
>実は、荷物が出て来なく30分近く待たされ全員うんざりしている時の余興でした。f(^^;)
>後方に、国際的に有名なモータージャーナリストの山口京一さんや自動車工学の岡沢編集
>長がいます。

津々見さんのHPで拝見しました。みなさんオチャメですね。
とくに菰田さんはオトナっていう感じの御仁だと思っていたので、ちょっとオドロキです。


(googleのcacheから引用)
何をしていたかこれでお分かりと思う。要は、空港での乗り継ぎの間、手荷物が出てこなかったので暇つぶしに空港にあった手荷物用のカートに乗って空港内でレースごっこをしていたのである。国沢氏だけではなく自動車評論家(の一部だと信じたいが)は、接待試乗旅行の際に思い切り羽目を外す傾向があるようだ。 国沢氏の過去の日記では、ホテルの前のロータリーで電動アシスト自転車でレースごっこをしていた、という記述がある。
2001年4月9日
(略)
ホテルの前のロータリーで『ステップコンポ』なる電動補助付き自転車を乗り回していたら(数人でオーバルレースごっこしました)、ちょうどいいサイズのオーバルだったこともあり皆さん次々と走り回ってる。
こらホテルからクレーム付くだろうな、と思ってたら案の定禁止になりました。

クルマ買いたいマガジンの日記より引用)
これらの行為を「童心」ととるか「恥さらし」ととるかは読者諸氏の判断に委ねる。
しかし当然ながら、このような行為を良しと思わない人は多々いると思われる。 実際、津々見氏の掲示板でも、この行為を諫める声がいくつもあがった。 既に津々見氏の掲示板のログには残されていないため、googleのCacheに残されていたものを1つだけ挙げる。(上の引用も含め、左記理由で具体的引用元を明示できないのは容赦願いたい)
なんとまあ・・・
いい年した大人のやることですかね?
空港といえばいろいろな国々の人が集まる場所。
恥さらしもいいところです。本当にみっともない。
誰一人として注意する人はいなかったのでしょうか?

海外の人から見たら日本人か韓国人か中国人かわからないはず。つまりこの方たちは日本人だけでなく、ほかのアジアの 国々の人たちにまで迷惑を掛けた可能性があることに気づいているのでしょうか。

だいたい「30分程度荷物が出てこない」などという事は日常茶飯事とは言わないまでも結構あることでは?仮に今回全員が初めて30分待ちを経験したとしても(ちょっと考えにくいが)、だからといってカートをおもちゃにしていいはずがない。

こういう表現は不適切かもしれませんが、率直に申し上げてモラルの低さだけでなく知的水準の低さを非常に感じます。同じ日本人としてとても残念です。
これらの苦情に対し、津々見氏は全てにではないが次々と返信をしていった。
いやいや、おっしゃるとおり・・。f(^^;)

津々見 友彦 - 02/3/14(木) 21:48 -

>▼JAMさん:
>いい加減にしてください。空港内でこんな事をするなど最低のマナーです。
>日本の恥です。
>少しは大人になったらどうですか?

いや、確かにそ〜言われると・・・・。f(^^;)
じょ、冗談、冗談・・。はっはっはっ!
わ、笑って護魔化しました。f(^^;)


ただね。他のお客の荷物はでで、それから待てど暮らせど荷物が来なく、 一旦ベルトが
止まってしまいました。30分以上待たされました。
全員、イライラ度が増して来てそろそろぶち切れそうになってきたんです。
ま〜、そんな時の精神衛生管理の一環でした・・・。f(^^;)
それに回りには我々日本人しかいないのですよ。
他のお客の荷物は出て来てみんな行ってしまいましたから・・・・。(/_;)

▼ZINさん:
>言い訳にもなりませんね。
>あなた方は30分以上待たされると、あのような大人気ない行動をとるわけですか。
>周りに日本人しかいないからって、何してもいい理由にはならんでしょう。
>失礼ながら、東南アジアに買春ツアーに行く中年男性の言い分と
>大差ないですね。

いや〜、お恥ずかしい。f(^^;)
つい童心に帰ってしまって・・・。
以後気をつけます。f(^^;) m(__)m


(★より引用)
口調は多少ふざけてはいるが、これは場を和らげるための「故意の演出」とみなすこともできる。それにこのように素直に反省されては、これ以上に抗議するのは粘着質とみなされるだろう。実際、この話題は「おちゃめな行為だが、やはりちとやりすぎ」なことだったのだろうということで円くおさまりかかっていた。
しかし国沢氏はせっかく収束しかかった議論に油を注いでしまったのである。
Re:雪辱戦願います! 国沢光宏 02/3/18 (月) 1:47 -

津々見兄、そして津々見兄のファンの方々、まことに申し訳ないです。
批判を書き込んでるのはワタシのクレーマーである『黄昏野郎』です。
どうか気にせず無視して下さいませ。
ちなみにローマでは荷物が出てこず、殺伐とした雰囲気でした。
回りの皆さんのウケを取ったと同時に、空港職員もスターター役を買って出るなど、
極めて和やかな雰囲気だったことを書き添えて置きます。
ちなみにワタシの掲示板は『黄昏野郎バスター2002』により、書き込めません。
だからコチラにきてるんだと思います。
それにしても津々見兄の対応、お見事です。
メーカーのクレーマー担当のお手本ですね。

ワタシも津々見兄の歳になったら、達観したいと思います。
また、いろいろ教えて下さい。


(★より引用)
この発言で津々見氏の掲示板が更に大揉めになってしまったことは言うまでもない。 津々見氏はこの発言にはさすがに返事することはなく、いつの間にかこの話題は収束していくこととなった。

津々見氏の掲示板の常連の方のこのような言葉を最後として。
「津々見氏の批判者に対する対応はすごくよかったと思います。ますます好きになりました。もう一人の方は・・・まぁ反面教師としての参考にしかなりませんがね」

[考察]

この件ではいくつもの問題点がある。

  • 批判者が全員自分の敵と根拠もなく断定している
  • 当自者の1人なのにまったく反省していない
  • 騒動の根本原因が自分と自覚していないかのように見える
  • 誉めているのかふざけているかわからない

しかし最大の問題は、「掲示板の主宰者の努力をだいなしにしてしまった」ことであるまいか。
上記にもあるように、津々見氏は批判者に対しジョークも交えながらちゃんと対応していた。
それは掲示板主宰者の方針である。掲示板の他の常連もその意図を尊重し、特に批判者への攻撃も津々見氏への(過剰な)援護も無かったように思われる。

そんな中に当事者の1人が「おれたちゃ悪くない、言いがかりつける奴等はみなクレーマーだから相手にするな」というのは主催者と正反対の意見、および対応の勧めである。

例えが悪いが、自分達が使った便器をアルカリ系の洗剤で掃除をして、ほとんど落ちかかっていたところに「こっちの方がよく落ちるぜ」と酸性系の洗剤をどばどば注ぎこまれたようなものではないか。かえってとんでもないことになってしまうのである。

津々見氏の労をねぎらう気持ちや、そこの常連に「騒ぎの原因となって申し訳なかった」と伝えたい気持ちはわかるのだが、とはいっても
それを伝える方法が最悪だった、と言わざるをえない。
これでは津々見氏の掲示板で国沢氏に批判的でなかった人までも「そもそもおまえのせいだろうが!」と反発してしまっても致し方ない。
主催者がアルカリ洗剤でごしごし擦っているのだから、一緒にブラシ持ってきて手伝うのがあるべき姿だったのではないだろうか。


[結論]

この件でいきなり結論を書くと、「相手本人ではなく相手の行動や主義も尊重すべき」ということに尽きる。津々見氏は自分の掲示板で平身低頭謝っているわけだから、国沢氏がすべきはその行為をも尊重して自分もそのようにすることでなかったのではないか。又は全く手を出さないか、陰で「すいませんでした…」とメイルするかである。上の書き込みも、この程度であるべきであっただろう。

Re:雪辱戦願います! 国沢光宏 02/3/18 (月) 1:47 -

津々見兄、そして津々見兄のファンの方々、まことに申し訳ないです。
ワタシのカキコのせいでこんなに荒れちゃって。
ちなみにローマでは荷物が出てこず、殺伐とした雰囲気でした。
回りの皆さんのウケを取ったと同時に、空港職員もスターター役を買って出るなど、
極めて和やかな雰囲気だったんですけどネ…

でもちょっと大人げなかったかな。ワタシも以後気をつけます、ハイ。

追伸:
津々見兄、今度はホントのカートで勝負しましょう!
あ、じゃ更に勝てないや。ハンデください(爆)
余談となるが、津々見氏は確か第3回日本GP(1966年)時点で既に30歳くらいであったと記憶している。国沢氏が津々見氏のように達観できるようになるにはあと20年はかかるということだろうか?kunisawa.netの騒動が収束するには、まだまだ先は長いようである。
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