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RX-8ならBMWのマキネンにだって勝てる −妄想の限りなき暴走−
自分に自信を持つ、ということは大切なことである。特に起業家やスポーツ選手は、モチベーションを高めることによって実力以上の力を発揮することがあるので、多少の傲慢さは必要なことであろう。

これ以外で、必要以上の自信の表明が許されるのは、それが明らかなジョークと分かる場合である。例えば草野球で「俺はイチローでも三振にできるぜぇ、わはは」とうそぶくような場合である。もしこのようなことを本気で言っているのであれば、その方は客観的視野にまったく立てない方と思われる。
だが、それがたとえジョークとはいえ、何度も繰り返されると、された方は飽きてくる。かつジョークの妄想の度合が大きくなってきたら、言われた方はどう感じるであろうか?


●マキネンに匹敵する腕・・・と勝手に思い込んでいる

もともと国沢氏は、自分を著名なドライバーになぞらえることで文章を演出するのを好んでいる。特にお気にいりは、WRCドライバーのトミ・マキネンである。2chで判明しているその最初の表現は1995年にまでさかのぼる。
「こんなところをビートやMR-2で走ろうものなら大変だ。この2車,サスペンションストロークによるアライメント変化が大きいので,マキネンやオリオールに匹敵すると勝手に思いこんでいる国沢光宏のウデをもってしても10回に1回は飛び出すに違いない。」

(ベストカー  1995年11月10日号 16ページ MG-Fの試乗記より引用)
この原稿当時は国沢氏は30代半ば。自動車ジャーナリストとしては若手であろうから、このような表現をしても、「おちゃらけ評論家」としては許されるであろう。

しかし彼は40代に入っても、まったく同じようにオチャラケた表現のままなのだ。これは2001年のランサーエボリューションVIIの記事である。
長年ジドウシャヒョウロンカ稼業をしていると、スペックを見ただけで「おおお!」と思うクルマというのがある。新しいランエボって「おおおお!」と『お』を一つ多く付けたくなるくらいの内容だったりして。

(略)

ハンドルを切り込めば、これまた素直。ロールのバランスや挙動もしっかりコントロールされており、クルマとの一体感を味わえる。で、アクセル踏むと、4輪パワースライドするくらいのトルク炸裂だ! こうなるとイケイケ全開モードに入ってしまう。WRCのTV解説 などやらして頂いていたこともあり、マキネンが乗り移ってきたらしい。もうコーナーは全部横向きにしたくなって仕方ないです。走りのカットを見ていただければ解る通り、全てのコーナーで流しまくり状態だ。

(略)


ちなみに唯一無二のライバルであるインプレッサSTiバージョンのRAがワタシのドライブで7秒5くらい。今回試乗したランエボは、ブレーキをラリーアート製に交換し、フロントのキャンバーを筑波用にしているとはいえ、楽に1秒以上のアドバンテージを持つ。さらに今までのランエボで気になった質感も大幅に向上。性能や乗り味まで完全にワンランク上になったと思う。

弱点はたった二つ。低速コーナーでのアンダーステアと、3速と4速にシフトする時の引っ掛かり感のみ。しかし「そんなこたぁどうでもいいや!」と思えるくらいの魅力がある。どうしようかな、と迷っているなら、買ってしまうことをすすめる!クルマ好きなら一度くらい 「世界に通用するホンモノのスポーツカー」に乗ってみるべき。ワタシが自信を持ってすすめます。この手のクルマはリセールバリューいいし。


(kunisawa.netより引用)
ここでも明らかに言葉の遊びをしている。ランエボを運転→マキネンになったつもり、というのは、明らかに幼稚なメンタリティであろう。だが、恐らく国沢氏の文体を好む、対象読者層(恐らく中高生〜20代初め)を考えた故意の表現だと考えれば、納得できないこともない。

しかし、国沢氏は内心でも「自分は腕が立つ」と考えているように思われる。以下は、2002年の第20回日本アルペンラリーの時の国沢氏の日記である。 彼はその立場を利用して、スバルテクニカインターナショナルのインプレッサWRX-RAのGr.N仕様を拝借し、出場したのだ。残念ながら最終SSでコースアウトし、リタイアすることとなった。
10月16日
いよいよラリーウィーク! 今日はレッキ(下見)のため朝4時起きし、軽井沢に向かう。本番で使うコースを2回ゆっくり走り(封鎖されていないため対向車も来ます。つまり普通のドライブと同じような走り方)、ペースノート作る。滑りやすい場所や、 ギャップ、アップダウンあって見通し効かない区間は、その先の状況も書く。2回ほどペースノート作りの練習をしただけで本番だったけれど、沼尾君によれば「まぁまぁです」。それにしても朝4時から150キロ走って軽井沢。そこから林道を主体に380キロも走ると疲れます。4時過ぎにレッキ終了。軽井沢のホテルに戻って原稿書き。終了後、サッカー見ながら食事。
沼尾君はラリー出場が決まってから、断酒しているそうな。ワタシはいつものペース。食べて飲んで10時に寝ました


10月17日
4時半に起き、レッキ2日目出発前に原稿書き。これで残すは2本。ただ今日は夜中まで予定ビッシリ! 明日も朝7時までにお台場に行かなくちゃならぬ。いつ書けるか厳しい状況になってきた。今日は軽井沢から北上し、レグ2で走るコースのペース ノート作る。コーナーの「曲がり方」も、1〜6の6段階から、2マイナスと3マイナスが増え、8段階に。ノート作りは何とか出来るようになってきたものの、こんな細くて先が見えないコーナーを果たして全開で走れるのか心配になってくる。ラリールートはのどかな農村部を通るのだけれど、ヨーロッパに負けないくらい美しい風景だ。4時過ぎレッキ終了。伊勢崎に寄ってラリー車のステッカー貼りなど最終準備を行い、11時少し前自宅着。続いてTVカメラのセッティング開始し、終了したのは1時。


10月18日
5時半に起き、ラリーカーでお台場に向かう。9時過ぎまで雨模様だったものの、やがて止み徐々に気温も上がり始めた。8時過ぎに車検終わるとしばし待機。(略)
1時過ぎにお台場に戻り、いろんな方とラリーの話など。 ラリー初出場のワタシは出場37台中34番目。最後からスタートなので4番目のスタートとなる。最初のアトラクションで全部のターンを派手なテールスライド決めようと狙うも、シート形状悪くサイドブレーキ効かぬ! 奥のターンでしか狙った走りが出来ず。しくしく。7時にお台場を出て激しく渋滞する都内を抜け、軽井沢へ移動。10時に到着し、残りの原稿書き。12時前に終了! これでラリーに専念出来るようになった。


10月19日
初めてのSS1で案外イケるな、と思ってSS2を攻めてみたところ「あらら!」の総合11番手(グループNクラスでは全日本のチャンプ奴田原選手に遅れること9秒ちょうどの3番手。1キロあたり1,5秒遅れ)。足回りだけ交換しただけの完全ノーマル車 (車重だって実測で1452キロもありました)と初ラリーの運転手の組み合わせとしちゃ望外の成績である。

この調子ならイケるか、と 21キロの長いSS3走ったら、スタートして約3キロ地点のスリッピーな右ヘアピンで側溝に左側を落とし、抜け出すまで2分ロス。走り出すと右前輪と左後輪がバーストしてる。そのまま残る17キロのSSをタイヤをかばいながら走行(リムから外れたらアウト)。
ゴール後、スペアタイヤ1本しかないため右前輪だけ交換。左後輪パンクのまま50キロ移動し、さらにSS4走ってサービスへ。リタイアしなかっただけで大ラッキーです!それにしてもBSのタイヤって丈夫だ。

SS5からペース落とすも、
やっとペースノート走行に慣れ始めたらしくSS8は再び総合14番手というタイム。ただノーマル車ということで、立ち上がり加速が厳しい感じ。比較的高速で、下り区間多いSSは上位に離されないものの、低速コーナー多い登り坂主体のSSになると難しい。SS9のスタート直前から本格的な雨。SS11は霧まで出てくる始末。後ゼッケンの不利さも味わえた。ドライサーキット用のSタイヤだとコースに残っていることがやっと。明日はドライになって欲しい!



10月20日
起きると雨。雨の中、安全に走れるタイヤ(市販のポテンザRE01)はあるものの、速く走れるタイヤを持っていない。インプレッサに合うウエット用のSタイヤが無いのだ。したがって今日はノーマル車と普通のタイヤという条件。

こうなれば寒い中、ラリーを見に来てくれているギャラリーの方に楽しんでいただける走りするしかない。ただ依然としてサイドの効きに問題を抱えている。コドライバーの沼尾君が「じゃボクが引きます!」という! 実際、そういったラリードライバーもいるそうな。「頼む!」とやってもらうも、やっぱりダメ。
太田尾さんに相談すると「可能限り調整してみる」。するとどうだ!上手く行くようになった。

(筆者注:太田尾さんではなくて、大田尾さんのようである…)

それにしてもギャラリーの多さに驚く。草津のSSなどはコーナー連続して9つくらいが一杯! コーナーに飛び込んでいくと、WRCで聞く「ピピー!」というオフィ シャルの吹く笛が聞こえる!
パワーの無いグループNはアクセルオンじゃスライドしないので、サイドブレーキ引いてテール流したら 「おおーっ!」という皆さんの大きな声が車内に飛び込んでくる。WRCみたいだ!

最後のSS24(もう一度同じ草津を走る)ではワタシのインプレッサを覚えてくれていて、コーナーに飛び込む前から手を振ってくれているじゃないの。こうなると「もっと速く! もっと長く!」となるのが悪いクセ。4つ目くらいの右コーナーで滑らせすぎ、笹の藪に落ちてしまう。バックさせようとするも動かず。ゴールまで4キロを残しリタイアとなってしまった。

全てのラリーカーが通過し、コースクリアになると帰るギャラリーがどんどんやってくる。「下で待ってたんですよ〜!」と励まされ、記念撮影や握手を一杯しました。夜のパーティでもラリー界の方々からたくさん声を掛けていただき、チーム監督からも「国沢らしくてよかったよ」。コースアウトは未熟なウデのせいだけれど、完走を狙って抑えるよりワタシらしいか? ただ明日起きたら悔しいだろうなぁ。


10月21日
久々に7時半まで寝た。朝ご飯食べてHPのアップロードしようとコンピューターに向かうと、急に悔しさがやってくる。

最大の悔しさは、自分のウデ。コースアウトもさることながら、じっくり考えてみると左足ブレーキングを使えていない。もし完全にマスターしていれば、登り坂区間でのレスポンス遅れを大幅に少なくできたかも。少なくとも1キロあたり1秒は速くなると思う。そういった意味ではインプレッサの速さをまだ引き出せるハズだ。カートに乗ってるんだから、左足ブレーキだって出来ないことはないだろう。今度ラリーに出るチャンスを得たなら、絶対マスターするぞ! と。

それにしても見通し悪く細い道を全開で走る楽しさって、これほどとは予想もしてなかった。コドライバーの読むペースノート聞きつつ(見えるコーナーの一つ先まで読む。WRCドライバーは二つ先まで読むと言う)、走るラインを頭の中で組み立てて行くのだが、4速全開のブラインドコーナーなんてシビれます!


立ち上がり加速で劣るノーマル車ながら良いタイムが出ていることを考えれば、おそらくコーナーはイケてるんじゃなかろうか。いや、ハンドリングを自分の好みに合わせれば、まだまだコーナーも速くなりそう。
そんなことを考えつつ、溜まりまくった手紙やメールを読んだり取材の手配をしながら一日過ごす。明日からまたヒョウロンカ生活に戻ります。

(kunisawa.netより引用)
さて・・・、日記でも書かれているが、国沢氏は序盤のSS2で総合11位のタイムを出している。これは素直に大健闘していると言う事ができよう。 しかし、それ以外のSSと合せて考えるとどうであったか、と客観的に見れば、彼は「実力それなり」であったと考えるべきなのである。
まず、彼が考える敗因を、彼の発言から拾い出してみる。
  • タイヤがバースト(SS3、SS4)
  • サイドブレーキの位置が悪い
  • Gr.Nなので登りの立ちあがり加速で不利
  • インプレッサに合う雨用のタイヤがなかった(SS9以降)
  • 左足ブレーキを使えていない
  • タイム抜きで観客を楽しませた(SS13以降)
これらについて考察してみる。

ここに、第20回日本アルペンラリーの全SSの順位表(別ウィンドウで表示)を用意した。 国沢氏は、SS1からSS2で順調で、SS3からSS4はバーストのため順位が下がり、SS5から抑え気味に走るも、SS8で調子が出てきた。そしてSS9から雨でペースが下がった、ということである。確かに国沢氏だけを見れば、これも肯ける順位変動といえるかもしれない。

しかし、他の競技車のタイムにも着目したら、いちがいにそうとは言えない。

● 国沢氏の乗るGD型インプレッサと他Gr.N 4WD車との比較

国沢氏は「立ち上がり加速で劣るGr.Nでも上位(Gr.A勢)についていけた」と言っているので、同じGr.Nであり、日本トップドライバーの奴田原選手(ランサーEV.7)の成績を見てみる。そうすると、彼は遥かに戦闘力の高いインプレッサWRCarに乗る新井氏と比較して、ほぼどのSSでも1kmあたり3〜4秒落ち程度で、他のGr.Aマシンと比較しても引けをとっていない。SS10からSS12ではインプレッサWRCarを凌ぐタイムとなっているが、これは雨天となったことが影響していると思われる。タイヤ選択に成功したのであろう。

他のGr.N車両は、ほとんど大半がランサーであるが、当時最新のEV7ばかりというわけではない。EV6やEV5はおろか、EV2まで出場していた。そして、Gr.Nカテゴリのインプレッサは3台出場している。それらは、いずれも国沢氏のような最新のGD型ではなく、旧型(GC型)である。
しかも国沢氏のインプレッサはGr.Nとはいえ、STIのワークス仕様。そして「昨年(2001)の北海道ラリーで使った車両」であるという。国沢氏は「足回りを交換しただけのドノーマル」と書いているが、これを100%文面通りに信じられない人も多いのではあるまいか。加えて、富士スバルのカスタマイズショップ、fzeのサポート付である。
これらを勘案すれば、国沢氏の乗った車両とその体制は、他のGr.N車両の中でもかなり「恵まれていた」ことは間違いないであろう。ランサーとの直接比較は難しいかもしれないが、少なくとも他のGC型Gr.Nインプレッサと比較すれば車両自体の戦闘力は高かったはずだ。 なにしろ、国沢氏自体、GC型と比較してGD型インプレッサをベタ誉めしているのだから。これはSTI仕様のニュルブルクリンクでの試乗記からの引用である。

さて、新しいSTiバージョンをどう評価したらいいだろうか? ナニを隠そう従来型のSTiバージョンは凄く良いクルマだと思うが、買おうと考えたことありませんでした。でも新型STiバージョンは素直に欲しいと思う。このクルマ、生まれついてのスポーツカーだからかもしれない。つまり普通のセダンが高性能になったのでなく、最初からピュアスポーツカーとして作られた感じ。

ここでは旧型のGC型インプレッサに着目すると、うち2台は国沢氏より下位であるが、#25の今北選手が乗るインプレッサは、初日はTOPから6〜7秒、2日目は5〜4秒遅れのコンスタントなタイムを出していることが分かる。
そしてもっと詳細に見ると、序盤は国沢氏に遅れをとっているものの、10km以上の比較的長いSS(SS5、SS7)では国沢氏より1kmあたり1秒速い。そして比較的短距離のSS6、SS8では0.5秒落ち程度の遅れ、SS9以降は完全に国沢氏を凌いでいる。 SS9以降の順位が急によくなっているのがタイヤ選択に成功した結果であるとしても、 明らかに序盤を抑え気味にし、後半に調子をあげてきたのだといえる。ちなみにスバルのモータースポーツのページでは、新井氏も「最初のSSは朝靄で路面が濡れていたので様子見で走った」と述べている。

ということは、今北選手をはじめ他の選手も序盤は様子見で走ったのだろうか?実は今回のラリーでは、SS2、SS6、SS10は同じコースである。これらでの国沢氏のタイムを見てみると、SS2が5分26秒、SS6が5分28秒と、わずか2秒の違いである。 しかしSS2では11位、SS6では17位に後退する。SS6では既に上位が何台か脱落しているのに、である。ちなみにSS6の11位の選手のタイムは5分24秒となっている。これは、レグ1の中盤になって明らかに中堅ドライバーのペースがあがっていることを示している。
これから見ても、国沢氏は、SS2もSS6も同じように走ったのだが、序盤、様子見で抑えていた他の選手がペースをあげてきて相対的に順位を下げた、と言える。

10km以上のステージで今北選手とタイムが逆転している点については、後で考察する。

● AE101と互角勝負

そして、登りや低μ路でGr.Aのハイパワー車と比べて明らかに不利なのは、次に挙げる唯一A6クラスのAE101で出場していた須沢選手であろう。AE101はグループA登録とはいえ、1600cc、NAのFFである。しかもGD型インプレッサよりも前世代、いや、GD型以前のGC型インプレッサのデビューよりも更に前の世代の車両であり、最新型のGD型Gr.Nインプレッサよりも戦闘力は明らかに劣ると思われる。

だが、須沢選手のタイムはSS5以降、国沢氏のタイムとほとんど変わらない。(国沢氏が14番目のタイムを出したSS8でも、1kmあたりの国沢氏との差はわずか0.3秒である)ラリー終盤になるとスパートをかけ始め、国沢氏をじりじりと引き離していることも分かる。そしてその結果?残念ながらリタイアしている。

加速性能が明らかに劣る車で国沢氏と同等のタイムを出しているということは、須沢氏のコーナリング速度は国沢氏のそれを上回っているためとしか考えられない。(須沢選手は、全日本ラリー選手権のA、Bクラスでかなり活躍されている選手である)

更に、Gr.NのVivioとEP91にも触れておく。Vivioのドライバーは舩木選手。Vivio使いとして知られており、主に地方選手権に出て活躍されている方のようだ。そして今回出場した車だが、Gr.N仕様で作った本番用エンジンが壊れてしまい、未調整のヤレた中古エンジンに換装して泥縄状態で出場したらしい。そのエンジンパワーは「せいぜい50ps」であったろう、というのが2chに書きこまれた事情通(笑)の判断である。
EP91スターレットは、ここに書くまでもないが1300ccのFFである。Gr.Nだからノーマルの82psとさほど変わらないだろう。しかも何とATであったそうだ。

そして、いくつかのSSでは、彼等は国沢氏に匹敵するか、むしろ凌ぐタイムを出している。タイヤがパンクしたまま走ったSS3、SS4については国沢氏の順位が低いのも当然だが、 それ以外では、いかに路面が濡れ、市販タイヤ(後述)しかなく、ギャラリーサービスに徹していた、とはいえ、Gr.Nの最新ワークス仕様のインプレッサが、市販の中古Vivioや、ほとんどファミリーカー仕様のようなEP91に負けることがあるとは思えない。

と、ここまではSSのタイムだけで考察していたが、 非常に参考になるWebページがあるので紹介したい。SS15のある定点における各車の動画を掲載されている方がいる。crossflow's webpage別館 の 「第20回V-Rallyインターナショナル観戦記 」がそれである。ちなみにこのSS15では、国沢氏はAE101の須沢氏に1kmあたり約1秒の差をつけられ、かつVivioの舩木選手との差は1kmあたり1.6秒しか離れていない。

早速国沢氏の動画を見てみると、コーナーで「かくっ、かくっ」と曲がっているようには見えないだろうか。そして、コーナリングが終了し、全開加速に移っていなければならない箇所で明らかに左右にふらついていることも分かる。
これは、コーナーへのアプローチを失敗し、立ち上がりまで微調整をかけ続けてしまった結果であろう。

対して、須沢選手と舩木選手の画像を見てみると、素人目で見ても国沢氏とはコーナリングのスムースさが違うことが分かる。車の動きが流れるようになめらかなのだ。 そして、次のコーナーへの直線での速度は明らかにインプレッサが上回っていることも分かる(あたりまえだが・・・)。 参考までに奴田原氏の画像を見たら、やはり流れるようなコーナリングで、かつ速い。

そしてまた、SUBARUのWEBサイトにも国沢氏の画像が掲載されていた。 それらはいまや見る事はできないが、その画像ではコーナー入り口で、まさに止まりそうなほど速度の落ちた国沢氏のインプレッサが映っていた。また、他にもいくつか画像・動画を掲載されたが、そこには中速コーナーでもサイドブレーキに手をやる国沢氏の画像、サイドを引いて豪快にテールを流すも、速度が遅すぎて途中でグリップが回復してしまい、よたつく動画などが流された。
(それらの動画は筆者も持っているが、ここで掲載すると著作権の侵害にあたる可能性が高いので、掲載しない)

これらを総合して考えると、たとえ国沢氏がギャラリーのために故意にサイドブレーキドリフトを多用していたとしても、コーナー進入速度が他車より遅く、かつ立ちあがり加速時でも無用なハンドル操作が必要であったので、そこで大幅なタイムロスがあったことは否めない。つまり、入手可能な状況証拠(映像)だけで判断すれば、国沢氏は故意であれ実力であれ「コーナリングで遅かった」という結論になってしまうのだ。

● スタミナ切れ?


ここで、国沢氏はもともと「ヘタクソだった」という意見も出てくるであろうが、それではあまりに失礼なので、別の合理的な可能性も考えてみると、国沢氏の日記などから見るに、「国沢氏の集中力&スタミナは1日目で切れてしまったのではないか」という考えが浮上してくる。

コドライバーを担当した沼尾氏(主に群馬エリアの地方ラリーに出場し、Aクラスのドライバー、Cクラスのコ・ドライバーとしてのいくつもの優勝経験を持つ)が、ラリー出場が決まってからは酒を飲まない中、いつも通りに飲酒をしているし、またラリーが決まってから(決まる前からも)ジムに通う、などという体を鍛えた様子もない。

ただ一度、腕を磨くためと称して海外のラリースクールに行っただけである(しかしついでにスキーをしている…)。
日記でも何度か「ダイエットのため」としてジョギングしているが、わずか1〜2kmしか走っていない。これでは、体が鍛えられるわけもない。
実は筆者は、A.S.イワセの岩瀬氏(ワークスST185に乗り、サファリで4位になった経験を持つ)や、元TTEワークスの藤本氏と握手したことがあるのだが、ご両人ともその握力は尋常ではなかった。ラリーはやはりスポーツで、車の良さやテクニック以前に、やはり競技をする人は鍛えられていなければならないのだと実感したのである。

そして、レグ1終了後、サービスに来た国沢氏の写真がある。'02 ALPINE RALLY 観戦記の、第2日目、TOMIOKA SERVICE PARKのページを見ていただきたい。この方のコメントを見るまでもなく、国沢氏は憔悴しきった表情である。

これらを考慮すると、国沢氏は「体作りができていず、1日目の半ばで集中力も切れてしまったため、そこからは本気の走行ができなくなっていた」のではないかという推測がされる。この仮定であれば、先にあげた、10km以上のSSで順位が落ちているのも、、レグ1の後半で順位が下がっているのも、レグ2の後半で次第にAE101に離され、かつVivioやEP91に追いつかれ、終盤の半ばヤケになったかのようなタコ踊りの映像も、筆者としては納得できるのだ。

もし仮に、集中力が残っていて勝負を捨てていないのであれば、「ノーマルタイヤでもどこまでいけるか、攻めてみる」となるはずである。事実、天気予報では雨の予報はなかったため、レインタイヤを用意していなかったプライベーターもかなり多かったそうである。しかし、彼らが勝負を投げたという話は聞かない。 そもそも、国沢氏のラリーに出る目的は以下のようなものであったはずだ。
車両:
ほとんどノーマル状態のまま国際ラリーの『グループN』に出場、上位に食い込める車両は、世界で2モデルしかないと言えるだろう。ランサーエボリューションとインプレッサWRXのSTiバージョンである。WRC取材でいつも情報を頂いているSTiの津田氏に「アルペンラリーに出ようと思うのだけれど、インプレッサWRXをグループN仕様にするのは大変ですか?」と聞いてみたところ「ほとんどノーマル状態で良ければ昨年の北海道ラリーで使った車両がありますよ。今年は予定有りませんので使いますか?」という渡りに船のお話。これに飛び乗る。嬉しいことにエンジンなどはノーマルながら、ロールゲージやシートといった競技車両用の装備は付いている。「なるべく売っている状態のままのクルマで国際ラリーに出てみたい」というのが目的なので、サスペンションも標準にしようかと思ったら「やっぱり競技用にした方がいい」という。現在どのスペックにするか検討中。

タイヤ:
 これも標準装着タイプで出ようと思ったが、グループNの認定を受けていない。使えるタイヤまで決まっているのだ。リストを見るとブリヂストンの『ポテンザRE540S』(いわゆるサーキット用のSタイヤ)も使える。前々からブリヂストンがターマックラリー用のタイヤを作ったら面白いと思っていたので(実際、絶対的なグリップやコントロール性は優れていると思う)、迷うことなく決めました。
ウエット用はRE540Sが無いため、コントロール性の良いポテンザRE01を使います。

(kunisawa.netより引用)
できるだけノーマルのままラリーに出たい」である。なのに、Sタイヤが使えなくなったくらいで(ポテンザRE-01でも十分高性能ではないか)、「勝負は捨てた。タイムは抜きでギャラリーサービスをする」と方向転換するのは、これはもうただの言い訳にしか見えない。
(補記:筆者には、RE540Sはセミウェット程度なら問題なさそうなトレッドパターンをしているように見受けられる。実際、BSのRE540Sの紹介では、「ドライ&ウェット用」となっていて、GSならインプレッサの235/45R17もサイズがありそうだが…)

● 俺っていけてる?

以上のことから、国沢氏の「俺はいけてるんじゃないか」というのは、少し言いすぎかもしれないが、素人がホノルルマラソンの序盤の800mだけ高橋尚子選手についていけたから「俺って結構いけてるんじゃないか」と言っているようなものではあるまいか。長丁場となる競技で、ほんの一部だけが優秀だったからといって、それが全ての評価とはならない。

公式に、誰でも納得する国沢氏のアルペンラリーの成績は、「リタイア」なのだ。もし仮に途中でGr.Nのトップタイムをたたき出していたとしても、リタイアすれば、それが評価されるべき結果となるのである。

しかし、(3-4)に書いたように、国沢氏はここでも自分に都合がよいものだけを自分の中に取り入れて解釈している。そして、
この自分に都合よく膨れきった妄想は、ついに言葉遊びで世界最高峰のドライバーを追い越させてしまったのだ。
ベストカー 2003 5.10 号 30-31ページ
RX-8 世界に挑む! Vol.4
RX-8 世界がライバル 世界のGTセダン
世界を相手に、スポーツセダンとしての実力を問う!
 より引用:


世界を代表するミドルクラスのスポーツセダンといえば、BMW3シリーズとアルファ156、ベンツCクラスに加え、このところ急速に存在感をアピールしているアウディA4といったあたりだろうか。
・・・
こういったヨーロッパの強豪とRX-8を対決させたらどうなるだろう。実際、ヨーロッパで販売されるRX-8の価格は、上記モデルと同等。
・・・
例えばアウディのA4の3Lだと最高速245km/h!BMW325iだって240km/hをカタログに載せる。RX-8もまた、米国仕様(日本仕様と同じ250馬力)で240km/hと発表されている。
しかもライバルたちは2.5L以上の排気量を持つため、トルクが太い。
・・・
しかぁし、ワインディングロードに入ればRX-8の持ち味が光り始める。
なんせ敵は重い。BMW325iで1420kg。アウディA4の3Lも1425kgある。1310kgのRX-8より10%近く重いのだ。
・・・
いっぽうRX-8の場合、真剣に走りを追求しているのだった。したがって乗り比べると、役者が違う感じ。
タイトな日本のワインディングロードに持ちこめば、相手にならぬ。マキネンがBMW325iに乗っていても、ワタシ+RX-8で勝てることだろう。もし「そんなことはない!」と思える読者の方がいたら、マキネンと勝負できる場を作ってほしい。負けたらマキネンのギャラ、ワタシが払います(注・お金持ちの方、ホンキにしないでください!)

そのくらいRX-8はスポーツカーのようなハンドリングを持っているということだ。RX-8を100とすれば、A4で90。325iが80。156は70くらいか。
・・・
以上、世界を代表するスポーツセダンと比べてみた。価格軸で考えるなら、RX-8は間違いなくトップクラスのパフォーマンスを持っていると断言できる。
・・・
いくら言葉遊びとはいえ、商業誌に載せる記事としてはあまりにも度が過ぎていると筆者は感じる。そもそもこの記事の目的は、RX-8のハンドリングの良さを他の車と比較するためのものである。別格のドライバーを乗せて勝負させるというのは、フェアな比較ではない

まあ、もともと「日本のタイトな道なら〜」ということ自体、非現実的な妄想である。これが本気なら公道で違法暴走行為を勧めていることになりかねない。おまけに、世界最高峰のドライバーが、違法覚悟で極東の道で一介の評論家とハンディ戦などするわけがない。

何より、
このような表現をしなければRX-8の良さを伝えられない、というわけでは決してないのだ。「タイトコーナーの連続する道においてはRX-8は明らかに上手で、同等の腕のドライバーであれば・・・」という表現でも可能である。 それを、最高峰のドライバーと自分でも自分が勝てる、というのは、それが例えジョークとはいえただの傲慢の現れではあるまいか。

加えて、「嘘と思うなら勝負の機会を作れ」「本気にしないで」などというのは、明らかに
「水増しする目的でしかない文章」であろう。 百歩譲ってマキネンがBMWでも私が勝てる、と表現しようとした場合、「BMWにマキネンが乗って私がRX-8なら、ひょっとして私でも勝ててしまうんじゃないかと妄想させるほどRX-8は優れたハンドリング性能を持つ(又は、そう錯覚させる印象をドライバーに与えるほどのドライバビリティを持つ)」というのも可能なのだ。これでもRX-8の良さを読者に伝えることは十分可能なのである。

国沢氏は、ご自身は「楽しさの演出」のつもりなのであろうが、
他にできるであろう数々の楽しい表現があるにも関わらず、このような表現を選んでしまっているのだ。

そして上記の結果から客観的に考えれば、国沢氏の腕はBクラスで活躍中の須沢氏よりも劣ると思われる。 そして全日本チャンプの奴田原氏は全日本Bクラス時代にほぼ無敵の成績であった。 新井氏はそのまた上の速さであろうし、 WRCのトップドライバーは、その更に上をいく。

この仮定の下では、280psの最新4WDラリーカーで国内中堅のラリーストが乗る165psの中古FFラリーカーと互角の勝負をする方が、250psのスポーツカーに乗ったからといって200psのスポーツセダンに乗った世界最高峰のラリードライバーに勝てるとは、筆者には到底思えないのである。

● 丸目インプレッサはパワー不足

そしてもっと恐るべき内容が、後日の国沢氏のページトップに書かれた。
5月13日

新型インプレッサのグループN仕様がめちゃくちゃ速い! もちろん新井選手だからこそ2戦続いてブッチ切りの優勝と なったのだけれど、WRカーのテールエンドを喰うイキオイ。WRカーとグループNって、F−1とフォーミュラニッポンくらい違うのだから凄い。丸目のインプレッサの時は圧倒的優位にあったランエボだが、ここにきて非常に厳しい状況。私が乗った丸目のインプレッサのグループN仕様は、アクセルレスポンス悪くパワーバンドだって非常に狭かった(美味しいのは500回転だけ、という意見もある。100%同意します)。高回転まで引っ張ればパワー出るのだけれど、リストリクター(吸気制限)のため上まで回せぬ。新型は低回転域からトルクあり、レスポンスも良好らしい。もはやPCWRCのシリーズチャンピオンは新井選手で決定だと思う。三菱はファンのためにも、ランサーEVO9を早く!
……。国沢氏は、競技中、および競技終了後の言い訳では、そのようなことは何も言っていなかった。
「サイドブレーキ位置が悪い」と「左足ブレーキが使えない」であり、「これができればインプレッサの速さをもっと引き出せるはずだ」と、自らの反省が主であった。

それに、こんなことまで書いていたのだ。
10月4日

エンジン誌の取材のため箱根。アルペンラリーでコ・ドライバーやってくれる沼尾君と一緒に、ラリーカーで行く。
グループNにも様々なタイプ(シーケンシャルシフトや、ミスファイアリングシステムもOK)があるけれど、ワタシのはマフラーもミッションもノーマル。
むしろリストリクター(吸気制限)付くため、ノーマルよりパワー低く静か。街乗り用として使うことだって可能。
第一印象はなかなか良く、良い相棒になってくれそうなクルマで大安心!(略)

(kunisawa.netより引用)
それが、半年後には、手のひらを返したように「アクセルレスポンス悪く、パワーバンドも狭く、上まで回せなかった」と車を批判し、車がよければ(もしランエボ7に乗っていれば)もっと上位になれたと言わんばかりのことを書いているのだ。これが真実かどうかは乗った人間しか分からないことなので論評はできないが、リストリクターのせいでパワーバンドが狭くなったからといって、GC型のインプレッサにも負けてしまうほどの悪影響が出ていたというのだろうか?。

国沢氏が新型インプレッサGr.Nの優秀さを伝えたいという気持ちは分かる。しかし、自分をよくみせようという気持ちが無意識的に働いて、結果として非常にいやらしい文章になってしまっているのだ。これもまた、事象を自分に都合よく解釈したことから生まれた傲慢が影響していると思わざるをえない。

国沢氏には、いたずらにセンセーショナルな文章に走ったり、無意識に自分をよくみせようとする文章を書く傾向を厳しく自ら戒めて欲しいものである。

…それは無理な注文と分かってはいるのだが…
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2003.05.20 β-1版
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