8-1-4(3) 貴様!スベやん知ってるだろ!? −胸倉騒動− |
● 「お前、俺をバカにしているのか!?」 本題に入る前に、ラリージャパン(以下RJ)での騒動が勃発する以前にあったとされる、この事件についても触れておいた方がよいだろう。 それは、黄昏野郎たちが以後の国沢氏を見る目が変わってしまうような話であったのである。 まずは疑惑の日の国沢氏の日記を引用する。 |
2004年6月8日 8時半に家を出て台場まで。けっこう流れて30分早く到着。 10時からテリー伊藤さんとラリージャパンを盛り上げるにゃどうしたらいいか、みたいな座談会を。「盛り上がって欲しいけれど、かといってドリフト族みたいな人達が来るとラ リーのイメージが悪くなる。グラベルを探してドリフト大会やられちゃ困りますから。といった前提でいいアイデアありますか?」と聞く。詳細は7月19日発売のベストカー別冊で。 終了後、箱根に移動してインプレッサ年改モデルの試乗会。午前中は霧と雨だったそうだけれど、幸いドライ路面でしっかりチェック出来た。エンジンとステアリングフィール、ブレーキのタッチが一段と向上しました。一度も乗ったことない人は、ぜひディーラーで試乗させてもらったらいい。 きっと自動車に対するイメージが変わります。帰りは渋滞もせず6時に自宅。 (kunisawa.netより引用) |
これだけでは別にどうということはない日記であるが、日記が掲載された翌日(10日)、スベやんは2ちゃんねるで妙に挑発的な文言の書き込みをしていた。そこで筆者は(゚Д゚)y─┛~~氏の主宰する「デナイノ!避難所」という掲示板で、スベやんにその真意を問うつもりで軽く質問した。 |
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これだけでは何のことかはとんと分からないが、その理由について、スベやんは筆者にこのようなメールを送ってきたのである。 |
Thu, 10 Jun 2004 17:48:44 +0900 スベやんです。 私信モードですが、避難所の件。 今日ちょっとした取材でスバルの中の人に会ったんですよ。 で、そのときに小耳に挟んだというか、愚痴を聞かされたというか、 なんでも日記にかいてあるインプレッサ試乗会のとき、ついに現場で揉めごとを 起こしてしまったらしいのです。 「お前、俺をバカにしているのか」と若い広報部員を怒鳴りつけたとか。 実際にはつかみかかったりしているのかもしれませんが。 KURE絡みで怒らせてR2も没収されちゃったし、エビカニ供給のカットもスバルか ら宣言されてしまったので、そういった絡みもあるのでしょうけど。 マズイよなあ、というのが広報見解。 ちなみにまだ上層部には報告していないとか。 明日が広報の会議なので、そのときに報告されてしまうらしいです。 (中略) 短期間ですが、国沢対応で疲れきっています。 ご隠居様はすごいよ。 あの電波の被爆に数年間も耐えられているんだから(苦笑 |
後日、スベやんがこの件について、スバルの方から聞いた内容をもう少し詳細に語ったところによると、以下のようなことであるらしい。 KURE絡みで怒らせたというのは、国沢氏が、スバルから貸与されていたR2に燃料を給油する際、サイドシルに乗っかって給油口いっぱいまでガソリンを入れて「トラッドな満タン」と写真まで載せてしまったものと、レガシイのホイールナットの締め付けトルクの値を間違えたもの、であるらしい。 そこでスバル広報はR2を引き上げると同時に「あまりにマズいことが続くので、ちょっと国沢氏と距離を置こう」としていたという。 そんな折の6月8日。台場での座談会にはテリー氏以外にも竹平氏が来ていたという。そして竹平氏は座談会後、箱根のインプレッサ試乗会に媒体枠(ベストカー誌)でアポとりをしていたため、箱根に向かった。国沢氏はそれに勝手についてきてしまったのだという。 そして箱根の現地。国沢氏はあくまで飛び入りであり、媒体枠でも評論家枠でも呼ばれていなかったので、広報部員は、「すみません、アポのない方の試乗はご遠慮いただきたいのですが」と断ろうとしたのだという。 すると国沢氏の顔面がみるみる紅潮し、前述のように広報部員に「お前、俺をバカにしているのか」など凄い剣幕で罵声を矢継ぎ早にあびせかけ、突然のことに面食らって萎縮びする広報部員をすりぬけ、勝手に試乗してしまったのだという。 国沢氏のあまりの剣幕にショックを受け、当該広報部員は翌日(9日)、会社を休んだそうだ。 この後、富士重工から三推社(ベストカーの出版社)には「媒体枠で予定した以外の人は連れてこないでくれ」という意の文書が送られたのだという。 まあ、時間的なことを考えればまったくの突拍子もない作り話とも思えない節もあるが、あくまで無責任な噂の域を出るものではない。たしかに正体不明な噂話として楽しむ?だけにおいてはなかなか興味深い話ではあるが、ことこの話の信憑性についてはほとんどの方にとっては検証手段が存在しない。しかもその内容は、れっきとした恫喝行為であり(下手をすれば傷害罪である)、たとえそれが本当にあったことであったと仮定しても、その事実の公表で国沢氏の名誉が毀損されかねない内容である。だからこれは公の場所に出てきてはいけない噂話であったのだ。 スベやんも筆者に私信のメールではじめて告げたように、当初そのことは理解していたと思われる。吹聴して騒がせてやろう(又は国沢氏を貶めてやろう)というつもりは、なかったのかもしれない。 しかしこの話は、結局「模した人」とのののしり合いの最中に2ちゃんねるでほのめかされ、国沢氏の名誉が毀損されたかもしれない状況になってしまった。しかも「怒鳴りつけた」という情報がいつのまにかスベやんが「かもしれない」と仮定していた「怒鳴って胸倉をつかみあげた」に誇張されてしまっていた。 噂が公表されてしまった是非はともかくとして、この噂は黄昏野郎の頭の片隅に、後日展開されていく国沢氏に関しての黒い噂を花開かせるための種の役割として、確かに植え込まれてしまったのではないか、と筆者は勝手に考えている。もちろん反論は多いかとは思うが…。 ところで、この時の(押しかけ?)試乗によるインプレッションは、それが掲載されるべき媒体がなかったためであろうが、、オールアバウト・ジャパンに掲載されることとなった。その内容についてもちょっとした余談がある。 以下はその該当記事の一部である。 |
更なるパワーアップとタイヤの幅広化で戦闘力を強化 インプレッサの進化は止まらない (2004.6.21)
インプレッサが年改(年次改良の略。輸入車で言うイヤーモデルのようなもの)を行った。 |
ここで国沢氏が「一般道を模したテストコース」と書いてあるのは、スベやんの話を考慮すればどう考えても箱根のこととしか思えないのだが、それは国沢氏の表現技法としていつものことなのでここでは置いておく。 さて、同スベやんが後日、STIの方と会った時のことである。ふとしたことで上記の国沢氏のオールアバウト・ジャパンでの記事の件で「インプレッサSTiのダンパーって、コストの関係か何かで国沢氏の言うように性能のあまりよくないものを採用してしまったんですか?」と話を振ったそうなのだが、そうすると1時間以上にわたって熱く語ってくれたというのである。これを信じるかどうかは、読者諸氏にお任せすることとして、その内容は以下である(適宜要約してあるのでその点はご了承いただきたい)。 |
正直、私はあの記事にはムカついています。 インプレッサSTiは競技のベース車両ではありますが、あくまで基本は街乗り用の、ナンバーがついた乗用車であり、レース専用車ではないんです。 ビルシュタインは確かによいダンパーではありますが、どうしても乗り心地が硬くなりがちで、気軽な日常の街乗りには適しません。我々の中の少なからぬ技術者はずっとこれを何とかしたかったんです。 もちろんビルシュタインが(今回採用したダンパーよりも)優れた性能を示す路面はあるんですが、それは日常使用においては極めてごく一部の、非常に限定されたシチュエーションでしかありません。 レースやラリーなどではコース毎にダンパーを換えればいいけれども、街乗りをして、たまにサーキット走行というような使い方をしているお客さんに、路面にあわせてダンパーを換えてくれ、しょっちゅう調整をしてくれ、などと言えるわけがありません。ましてや、極めて稀な路面での性能だけを重視し、そのかわり日常の通勤に使用するには難があるような車は、ナンバーのついた市販車としての我々が望む車ではありません。ですから、どんな路面でもシチュエーションでも性能がよく(もちろんスポーツ走行でも優れた性能の)、メンテナンスフリーのダンパーが我々の目指すところでした。 今回採用したダンパーは、我々が目指すその目標に対して妥協せずに作り上げたので、かなりコストがかかってしまいました。細かいところまで注文を出し、実験とテストを何度も何度も繰り返しました。値段を考えたら、ビルシュタインを買った方が、ロゴ使用権を込みにしても遥かに安いんです。そのためにこのダンパーを採用するに当たっては社長決済まで必要になりました。それだけコストをかけた、思い入れのある自信作なのです。当然ながら我々も開発者としてプロという自負がありますし、考えられる限りの様々な条件でテストを繰り返していますので、どの条件でどのような挙動をするかはほぼ完璧に把握しているつもりです。 このダンパーは、急激な入力でも伸縮が追従するほど応答特性がよく、その応答速度はビルシュタインを上回ります。 もし仮に、左右に急激・強引に振るといった極めて雑で乱暴な走り方(若者がカッコつけてやるような)をしても、それにもきちんと追従するので、その結果として揺れ戻しに近いような動きをすることがあります。恐らく国沢氏はそのような粗雑な乗り方を「本格的に攻める」と言い、その時の揺り戻しのような挙動のことを「神経質な挙動」だと言っているのだと思います。 しかし我々としては、このような乱暴で粗雑な運転はサーキットでもラリーでも、もちろんストリートでもやるべきではない、典型的な「悪い」乗り方であると考えていますので、そのようなメーカーとして推奨できない操作での挙動をもって「接地荷重の変化が大きく、神経質な挙動」と批判的に評されているとすれば、それには到底納得できません。 ビルシュタインダンパーの場合、そのような乱暴で急激な入力をすると、縮んだまましばらく戻りません(筆者注:しばらくと言ってもそれは性能特性上の話で、実際には零コンマ数秒らしい)。左右にそれを繰り返すと両方とも沈んだまま戻ってこなくなります。恐らくそれを「安定している」と勘違いしてしまうのではないでしょうか。 今回採用したダンパーは路面追従性が極めて高いがゆえに、あらゆる入力に対する挙動は自然なものなので、ほとんどの方には「いいね」と感じていただけると思っているのですが、それを自然な挙動であると感じられないような人には違和感しか残らないのかもしれません。 また、氏の言うようにスタビライザーでロール剛性をあげるようなことはしていません。聞いてくれればお教えしたんですけれど…。一体何をもってそのように判断されたのかはよく分かりません。 世の多くの自動車評論家は、ビルシュタインのダンパーとゲトラグの6速マニュアルトランスミッション、ブレンボのブレーキ、そしてレカロのロゴの入ったシートとモモやナルディのステアリングさえつけていれば、それだけで絶賛してくれます。それこそが自動車評論家が望んでやまない理想の車なんです。一部のメーカーさんの車の中には、残念ながらその方向に進んでしまったものもあります。 でも我々はそうではありません。よいものがあればブランドには拘らないですし、逆に内製よりも性能がいいものが社外にあれば、それを採用することにも躊躇はしません。評論家のためではなく、買ってくれるお客様のことを考えて車を作っているんですから。 それでもあんなふうに書かれてしまうのは、ひょっとしたら、やっぱりまだ我々の努力が足りないんでしょうか・・・。 |
以下、この話が真実であると仮定した場合の話である。
これを読む限り、STIの求める理想と国沢氏の求める理想が必ずしも同じではないということが分かる。 さらにはSTIは、STIの方が考える国沢氏を含めた評論家像と、実際にターゲットとしているオーナーとの間には乖離があるということも認識しているのである。 ただSTIの方の話をそのまま無条件に鵜呑みにするのも危険ではある。やはりメーカーであるから自社製品を悪くは言わないであろうし、あるいは国沢氏が指摘したような、STIの方も気が付いていないなんらかの欠点が内包されている可能性もゼロではない。そして何より実際にインプレッサSTiを購入するオーナーの多くは国沢氏と同じ感性を持っていて、STIはオーナー像を見誤っているという可能性もあるからである。 ではどちらの主張が正しいのだろうか?といえば、これはこれをお読みの読者諸氏が判断しなくてはならないし、また何より実際にインプレッサSTiを購入しようとする顧客が判断すべきことであろうと思う。 その上で、STIの主張が正しいと感じれば、その方はSTIが想定するオーナー像そのものであり、国沢氏が正しいと判断すれば、STIも見つけられなかった欠点をも分かる優れた感性の持ち主であると思っていればよいのかもしれない。 反面、前者はメーカーのセールストークに躍らされる思考停止の単細胞、後者はただのブランド志向の妄想家の自惚屋というそしりを受ける可能性もあるが。 では筆者はどちらかと尋ねられたら、違いが分かる自信はまったくないし、サーキット走行での挙動よりも高速道路の繋ぎ目の振動が気になる人間なのでメーカー側についておくことにしたい。 しかしその前に、ヘタレなので正直280psの車を乗りこなせる自信はないのだが・・・。 |
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